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昨夜は小嵐のようで、いっとき強風と強い雨があった。
朝方には陽が出てきたので、出かけていった。
びっくり、仰天。
アレレー、昨日まであった巣がない。
影も形もない。
いったいどうしたことだろう。
昨日の嵐で巣のあった枝が折れてしまったのかと思った。
昨日、ワグテイルの巣の枝を折って持ってきたという経験がある。
いつも10倍望遠で撮って、それをパソコン画面に表示させているので、とても裸眼では巣のあった正確な場所は確定できない。
一度もどり、旧来の巣の周辺の特徴を頭に入れて、再度出かけていって位置を確認した。
巣の位置は分かった。
枝はある、折れてはいない。
が、肝心の巣が、その痕跡すらも残さずに消えている。
下の写真が昨日までの巣である。

上のように、右に分れる枝の交点に巣があったはずである。
稿頭の写真が先程撮った巣の位置に当たる枝の分かれ目である。
何もない。
巣があったと匂わせるものがものの見事にまるでない。
何があったのだろう。
人為的な原因か、それとも自然によるものか。
人為的となると、クリークにボートをうかべて竹竿のようなもので突っついて壊したと考えられる。
が、そんなこと不可能というより、そんなバカバカしいことはやらない。
こちらの人は目の前に巣があっても、ほとんど知らんぷりが一般的。
例えば、歩道に垂れ下がっている枝に作くられたあのフライアーバードの巣だが、親鳥はいなくなってしまったがいまだに頭上にある。
手を延ばせば届くところにある。
もろ丸見えであるが、巣があると分かっていてもまるで興味を示さないのが、こちらの人たち。
とすれば、自然的原因となる。
ツチスドリの巣は丈夫で長持ちする。
それが綺麗に跡形もなく消えたということは。
下の写真はちょっと離れて撮ったもの。

もし、想像がゆるされるなら、こうなる。
巣の作られた幹の少し上に細い枝が右に生えている。
その枝から支枝が下に垂れている。
巣の写真をみるとこの支枝は前に延びているが、今日はそれが垂れている。
ということは、この枝が昨夜の強風時にたれさがり、それがちょうど巣の位置にダブッてしまった。
よって、一晩中、巣はこの枝に叩かれ続けたと考えられる。
その結果、繰り返しの叩きで巣は壊され、さらに雨に打たれて緩み、加速的に崩れ、箒で掃くように綺麗になくなった、ということではないかと思うのだが。
これが正解かどうかは分からないが、そういう風に考えるとつじつまが合うのである。
でないとたった一晩で、痕跡も残さず消えたという説明が難しくなる。
抱卵中だったのに、自然は無情である。
ところで、消えた巣あたりから真上に視線を転じると、黒い塊が見える。
もしかしてこれ、巣の土台か?
巣を壊された鳥が再度の挑戦を始めたのであろうか。


「ドラマは続く」のだろうか。
下のビデオは、この作成にとりかかった巣と思われる黒い塊から、その下に位置する消えた巣の場所へ、そしてまた黒い塊へと映しています。
ツチスドリ _