2010年10月20日水曜日

2010-10-20:巣が忽然と消えた

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 昨夜は小嵐のようで、いっとき強風と強い雨があった。
 朝方には陽が出てきたので、出かけていった。
 びっくり、仰天。
 アレレー、昨日まであった巣がない。
 影も形もない。
 いったいどうしたことだろう。
 昨日の嵐で巣のあった枝が折れてしまったのかと思った。
 昨日、ワグテイルの巣の枝を折って持ってきたという経験がある。

 いつも10倍望遠で撮って、それをパソコン画面に表示させているので、とても裸眼では巣のあった正確な場所は確定できない。
 一度もどり、旧来の巣の周辺の特徴を頭に入れて、再度出かけていって位置を確認した。
 巣の位置は分かった。
 枝はある、折れてはいない。
 が、肝心の巣が、その痕跡すらも残さずに消えている。
 下の写真が昨日までの巣である。



 上のように、右に分れる枝の交点に巣があったはずである。
 稿頭の写真が先程撮った巣の位置に当たる枝の分かれ目である。
 何もない。
 巣があったと匂わせるものがものの見事にまるでない。
 何があったのだろう。
 人為的な原因か、それとも自然によるものか。
 人為的となると、クリークにボートをうかべて竹竿のようなもので突っついて壊したと考えられる。
 が、そんなこと不可能というより、そんなバカバカしいことはやらない。
 こちらの人は目の前に巣があっても、ほとんど知らんぷりが一般的。
 例えば、歩道に垂れ下がっている枝に作くられたあのフライアーバードの巣だが、親鳥はいなくなってしまったがいまだに頭上にある。
 手を延ばせば届くところにある。
 もろ丸見えであるが、巣があると分かっていてもまるで興味を示さないのが、こちらの人たち。
 
 とすれば、自然的原因となる。
 ツチスドリの巣は丈夫で長持ちする。
 それが綺麗に跡形もなく消えたということは。
 下の写真はちょっと離れて撮ったもの。



 もし、想像がゆるされるなら、こうなる。
 巣の作られた幹の少し上に細い枝が右に生えている。
 その枝から支枝が下に垂れている。
 巣の写真をみるとこの支枝は前に延びているが、今日はそれが垂れている。
 ということは、この枝が昨夜の強風時にたれさがり、それがちょうど巣の位置にダブッてしまった。
 よって、一晩中、巣はこの枝に叩かれ続けたと考えられる。
 その結果、繰り返しの叩きで巣は壊され、さらに雨に打たれて緩み、加速的に崩れ、箒で掃くように綺麗になくなった、ということではないかと思うのだが。
 これが正解かどうかは分からないが、そういう風に考えるとつじつまが合うのである。
 でないとたった一晩で、痕跡も残さず消えたという説明が難しくなる。
 抱卵中だったのに、自然は無情である。

 ところで、消えた巣あたりから真上に視線を転じると、黒い塊が見える。
 もしかしてこれ、巣の土台か?
 巣を壊された鳥が再度の挑戦を始めたのであろうか。





  「ドラマは続く」のだろうか。
 下のビデオは、この作成にとりかかった巣と思われる黒い塊から、その下に位置する消えた巣の場所へ、そしてまた黒い塊へと映しています。






 ツチスドリ 



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